労働者派遣基本契約書
労働者派遣基本契約書のテキスト
労働者派遣基本契約書
〇〇株式会社(以下、「甲」という。)と〇〇株式会社(以下、「乙」という。)は、乙がその雇用する労働者を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)に基づき、甲に派遣するにあたり、次のとおり労働者派遣基本契約(以下、「本契約」という。)を締結する。
第1条(目的)
本契約は、乙が、労働者派遣法に基づき、乙の雇用する派遣労働者(以下、「派遣労働者」という。)を甲に派遣し、甲の指揮命令に従って甲のために業務に従事させることを約するにあたり、その基本的条件を定めることを目的とする。
第2条(本契約の適用)
本契約に定める事項は、本契約の有効期間中、特に定めのない限り、甲乙において別途締結する個別の労働者派遣契約に適用されるものとする。なお、本契約に定める事項は、労働者派遣法第2条第4号に定める紹介予定派遣(労働者派遣のうち、派遣元事業主が、労働者派遣の役務の提供開始前又は開始後に、派遣労働者及び派遣先について職業紹介を行い、又は職業紹介を行うことを予定してするものをいう。)には適用しない。
第3条(個別労働者派遣契約)
甲及び乙は、乙が甲に労働者派遣を行う都度、労働者派遣法及び同法施行規則等の定めに基づき、派遣労働者の従事する業務内容、就業場所、就業する組織単位、就業期間、その他労働者派遣に必要な細目について労働者派遣法第26条第1項に規定する労働者派遣契約(以下、「派遣契約」という。)を締結する。
第4条(派遣料金)
1 甲は、派遣契約に基づく派遣業務(以下、「業務」という。)の対価として、乙に対し派遣料金を支払うものとする。派遣料金は業務の内容並びに技量によりその都度派遣契約により定めるものとする。なお、派遣労働者の就業が時間外労働、深夜労働、休日労働に及ぶ場合において、派遣契約に割増料金の定めがある場合には、その定めに従って算出される割増金を当該割増料金として、また、派遣契約に定めのない場合は、労働基準法に基づき算定される割増金相当額を当該割増料金として、乙は甲に請求することができるものとする。
2 派遣労働者が、欠勤、有給休暇、特別休暇、遅刻、早退等により、個別契約で定める当該派遣労働者の就業日又は就業時間に就業しなかった場合、甲は当該就業しなかった日又は時間に相応する派遣料を支払うことを要しない。
3 甲の責に帰すべき事由により派遣労働者を業務に従事させることができない場合は、甲は乙に対し、当該業務は行われたものとして派遣契約に基づく派遣料金を支払うものとする。
4 甲は、当月末日までの派遣料金の合計金額を翌月末日までに乙の指定する口座へ振込むものとする。
第5条(苦情処理)
1 甲及び乙は、お互いの緊密な連携の下に、苦情その他派遣労働者の就業に関し生ずる問題の適切かつ迅速な処理、解決に努めるものとする。
2 前項により苦情を処理した場合には、甲及び乙は、その結果について必ず派遣労働者に通知しなければならない。
第6条(派遣労働者の選任)
1 派遣契約に基づく派遣労働者の選任は乙が行うものとし、甲は派遣契約を締結するに際し、派遣労働者を特定することを目的とする行為(受け入れる派遣労働者を選別するために行う事前面接、履歴書の送付要請、若年者への限定、性別の限定、派遣労働者の指名等)をしないよう努めなければならないものとし、また、乙は、これらの行為に協力してはならないものとする。
2 派遣労働者が就業するにあたり、遵守すべき甲の業務処理方法、就業規律等に従わない場合、又は業務処理の能率が著しく低く労働者派遣の目的を達し得ない場合には、甲は乙にその理由を示し、派遣労働者への指導、改善、派遣労働者の交替等の適切な措置を要請することができるものとする。
3 乙は、前項の要請があった場合には、当該派遣労働者への指導、改善、派遣労働者の交替等適切な措置を講じるものとする。
4 派遣労働者の傷病その他、やむを得ない理由がある場合には、乙は甲に通知して、派遣労働者の交替を要請することができるものとする。
5 乙及び派遣労働者の事情により派遣労働者の交替を要する場合、乙は甲に対し事前に当該理由を通知しかつ甲の当該交替(後任派遣労働者の選任を含まない。)についての承諾を得た上で、派遣労働者を交替することができるものとする。
第7条(派遣労働者の雇用の禁止)
甲は、派遣契約期間中において、派遣労働者を甲又は甲の関連会社等に雇用する旨の勧誘をし、又は雇用してはならないものとする。
第8条(個人情報の保護)
1 乙が甲に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法第35条及び同法施行規則の規定により派遣先に通知すべき事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限るものとする。但し、利用目的を示して当該派遣労働者の同意を得た場合は、この限りではない。
2 甲及び乙は、業務上知り得た派遣労働者の個人情報、関係者の個人情報及び個人の秘密を正当な理由なく他に洩らし、又は開示する等してはならない。
第9条(営業秘密及び個人情報の守秘義務)
1 乙は、派遣業務の遂行により、知り得た甲及び取引先その他関係先の業務に関する営業秘密について、不当に漏えいし、開示し、又は不正に利用する等してはならず、派遣労働者にもそれを徹底、遵守させる責任を負う。
2 乙は、派遣業務の遂行により、知り得た甲の役員、従業員等及び取引先その他関係者の個人情報について、不当に漏えいし、開示し、又は不正に利用する等してはならず、派遣労働者にもそれを徹底、遵守させる責任を負う。
3 乙は、乙宛に派遣労働者から前2項に定める守秘義務の履行に関する誓約書を提出させ、甲の機密保持の確保を図るものとする。
第10条(損害賠償)
1 派遣業務の遂行につき、派遣労働者が故意又は重大な過失により甲に損害を与えた場合は、乙は甲に賠償責任を負うものとする。但し、その損害が、指揮命令者その他甲が使用する者(以下、本条において「指揮命令者等」という。)の派遣労働者に対する指揮命令等(必要な注意・指示をしなかった不作為を含む。)により生じたと認められる場合は、この限りではない。
2 前項の場合において、その損害が、派遣労働者の故意又は重大な過失と指揮命令者等の指揮命令等との双方に起因するときは、甲及び乙は、協議して合理的に当該損害の負担割合を定めるものとする。
3 甲は、損害賠償請求に関しては、損害の発生を知った後、速やかに、乙に書面で通知するものとする。
第11条(契約解除)
1 甲又は乙は、相手方が正当な理由なく労働者派遣法その他の関係諸法令又は本契約若しくは個別契約の定めに違反した場合には、是正を催告し、相当な期間内に是正がないときは、本契約及び個別契約の全部又は一部を解除することができる。
2 甲又は乙は、相手方が次の各号の一に該当した場合には、何らの催告を要せず、将来に向かって本契約及び個別契約を解除することができる。
(1)支払の停止があった場合、又は仮差押、差押、競売、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始の申立があったとき
(2)手形交換所の取引停止処分を受けたとき
(3)公租公課の滞納処分を受けたとき
(4)営業を廃止し、又は清算に入ったとき
(5)労働者派遣法等関係諸法令に違反して、労働者派遣事業の許可を取消され若しくは事業停止命令を受け、又はその有効期間の更新ができなかったとき
(6)その他前各号に準ずる行為があったとき
(7)前各号に定めるほか、民法第542条1項で定める要件に該当するとき
3 本条に基づく解除については、損害賠償の請求を妨げないものとする。
第12条(派遣契約の中途解除)
1 甲は、自己のやむを得ない事情により個別契約期間が満了する前に契約の解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとする。
2 甲は、前項に定める派遣労働者の新たな就業機会の確保ができない場合には、契約の解除を行おうとする日の少なくとも30日前に、乙にその旨を予告しなければならない。
3 甲は、前項の契約解除の予告日から契約の解除を行おうとする日までの期間が30日に満たない場合には、少なくとも契約の解除を行おうとする日の30日前の日から当該予告当日までの期間の日数分の派遣労働者の賃金に相当する額について、損害の賠償を行わなければならない。
4 甲の解除が信義則違反その他甲の責に帰すべき事由に基づく場合には、前項にかかわらず、甲は当該派遣契約が解除された日の翌日以降の残余期間の派遣料金に相当する額について賠償を行わなければならない。
第13条(契約の有効期間)
1 本契約の有効期間は、契約締結日から1年間とする。但し、本契約の期間満了の1ヶ月前までに甲乙いずれからも契約終了の意思表示のない限り、本契約はさらに1年間延長され、以降も同様とする。
2 本契約が有効期間満了又は解除により終了した場合といえども、既に契約した個別契約については、別段の意思表示のない限り当該個別契約期間満了まで有効とし、それに関しては本契約の定めるところによる。
第14条(権利義務の譲渡の禁止)
甲及び乙は、互いに相手方の事前の書面による同意なくして、本契約上の地位を第三者に承継させ、又は本契約から生じる権利義務の全部若しくは一部を第三者に譲渡し、引き受けさせ若しくは担保に供してはならない。
第15条(反社会的勢力の排除)
1 甲及び乙は、それぞれ相手方に対して、次の各号の事項を確約する。
(1)自ら若しくはその子会社が、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員(以下、併せて「反社会的勢力」という。)ではないこと
(2)自ら若しくは子会社の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。)が反社会的勢力ではないこと
(3)反社会的勢力に自己の名義を利用させ、本契約を締結するものでないこと
(4)本契約が終了するまでの間に、自ら又は第三者を利用して、本契約に関して次の行為をしないこと
ア 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為
イ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為
(5)反社会的勢力が経営に実質的に関与していないこと
(6)反社会的勢力に対して資金の提供等の利益の供与、又は便宜を供与するなどの関与をしていないこと
2 甲又は乙の一方について、次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催告を要せずして、本契約を解除することができる。
(1)前項第1号又は第2号の確約に反する申告をしたことが判明した場合
(2)前項第3号の確約に反し本契約を締結したことが判明した場合
(3)前項第4号の確約に反した行為をした場合
3 前項の規定により本契約が解除された場合には、解除された者は、解除により生じる損害について、その相手方に対し一切の請求を行わない。
第16条(契約の変更)
本契約及び個別契約は、甲及び乙の代表者が記名捺印した書面をもって合意した場合に限り、その内容を変更することができる。
第17条(合意管轄及び準拠法)
1 本契約に関する訴えは、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
2 本契約の成立及び効力並びに本契約に関して発生する問題の解釈及び履行等については、日本国の法令に準拠するものとする。
第18条(協議)
本契約に定めのない事項及び本契約の条項の解釈につき疑義を生じた事項については、労働者派遣法、その他の法令を尊重し、甲乙協議の上、円満に解決する。
令和○○年○○月○○日
甲 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社 ○○○○○○○○
代表取締役 ○○ ○○
乙 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社 ××××××××
代表取締役 ○○ ○○